伝説のエレメカin東京タワー

nobi-inu2004-04-17

前回の日記で、あくまで比喩として「東京タワー」という単語を文中で使ったら
たくさんの人が東京タワーをキーワードにして僕のページに飛んできてしまった。
どこかで密かに東京タワーブームでも起きているのだろうか。
飛んできたみなさんに申し訳ない気がするので、今日は東京タワーの話をしてみたい。


僕が勤めている会社は、東京タワーから歩いて数分のところにある。
最近は少しマシになってきたが、以前は会社の周囲に昼飯を食べられる店があまりなかったので
昼休みによく、同僚と連れだって東京タワービルの2Fにあるレストランや食堂に出向いた。
「ラーメン&カレーのセット」などという、かなりハードコアな昼食をとった後は、
1つ上のフロアにあるゲームコーナーに行くことも多かった。
ゲームコーナーといっても最新のゲームなどはほとんどなく閑散としているのだが、
実はここに、ものすごいゲームマシンが存在するのである。
コイツを体験せずに東京タワーを語るべからず!
そう言ってもいいだろう。
もったいぶった書き方になってしまったが、以下で解説しよう。


そのマシンは、いわゆるエレメカ(キーワード解説参照)に分類されるゲーム機だ。
遊び方は至ってシンプル。
コインを入れると、エアーの力でピンポン球が筐体内を飛び始める。
プレイヤーはレバーを操作して「ひしゃく」のようなもので球をすくい、所定のゴールに入れればOKだ。
大雑把に言ってしまうと、変則的なバスケットボールといった感じだろうか。
制限時間内に一定数以上のゴールを決めると、ぬいぐるみなどのプライズがもらえる。
基本的にはこれだけだ。
何てことはないエレメカなのだが、このマシンのすごさはサウンドにある。


まず、コインを入れた瞬間、


「バビョッ!」


という異音が周囲に鳴り響き、初めてプレイする人はまずここでびっくりするはずだ。
通常、アーケードゲーム(特にビデオゲーム)はクレジット音ひとつとってもかなり凝っており、
古くはドルアーガの塔グラディウスシリーズ、ダライアスシリーズなど(ほかにもいろいろあるけど)、
名作と呼ばれているものも多い。
このように、クレジット音とはゲームの第一印象を左右する重要な存在だ。
それが、いきなり「バビョッ!」はないだろう。
何というか、思わず顔をしかめてしまいたくなるような下品な音なのだ。


しかし、実はこのクレジット音は悪夢の序章に過ぎない。
「バビョッ!」の衝撃が冷めやらぬうちに、第二の魔の手がプレイヤーに襲いかかる。


「イラシャイマセ!(早口な女性の声)」


しゃ、しゃべったよ!
しかも、ものすごいカタコト!!!!


もう、この時点でほとんどのプレイヤーは戦意を喪失するだろう。
僕も最初にこれを聴いたときは、同僚と一瞬顔を見合わせた後、
その場で大爆笑してしまった(もちろんゲームどころではなかった)。
キル・ビルvol.1」を見てもわかるように、カタコトの日本語というのは問答無用に面白い。
それが、予想外の場面でいきなり飛び出してくるのだから、これはもう反則だ。


カタコトボイスの応酬は、その後も続く。
ゲームをプレイしている最中には「ガンバッテェ、ガンバッテェ〜(棒読み)」とカタコトの声援が、
残り時間が10秒を切ると、「ジュウ、キュウ、ハチィ〜」と、カタコトのカウントダウン、
ゲームオーバーになると「ザンネンデシター(棒読み)」といった具合だ。
そのたびにいちいち笑ってしまい、まともにプレイできないので全然規定の得点に達しない。
恐るべき難易度アップのシステムといえよう。


想像するに、このマシンはおそらく韓国あたりで作られたのではないだろうか。
で、開発会社の社長が
「んー、あれだな。声とか入れたらお客さん喜ぶだろきっと。
経理のおばちゃんに向かって)あーチミチミ、ちょっと録音するからこの通りしゃべってちょんまげ。」
というようなことを言って、ほとんど思いつきで入ることになったのではないか。
あのカタコトぶりは、尋常ではない。
というか、面白すぎる。


みなさんも、東京タワーに足を運ぶことがあればぜひこのマシンを実際に体験してもらいたい。
いつなくなってもおかしくないので(もうなくなっている恐れもあり)、興味のある方はお早めに。


今日の結論:東京タワーのオフィシヤルHP(http://www.tokyotower.co.jp/2004/)も、いろんな意味で面白いのでオススメ。



※元同僚のショーグン様より貴重な現物画像を頂いたので追加。
 ありがとうございますアニキ!
 ていうかなんでこんな写真撮ってんだ(笑)。